2013年3月4日月曜日

ツイートは著作物か否か

「ツイートの無断利用」が悪いことだと思っている人がいるみたいなんだけど…
『会田誠展:天才でごめんなさい』において大量のツイートが無断転載・有償公開されている件
http://togetter.com/li/453190
この類の話にはいつもすごく重大な前提があるんだけど、殆どの人はそれを忘れているように見えるんだよね。つまり「ツイートは著作物か否か」ということ。

著作物の定義については…著作権法を確認する余力がないので Wikipedia を参考にしちゃうけど、Wikipedia で引用されている文面を信用すると、著作物の定義は「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」ということらしい。

思想または感情…ある個人にとって何が思想で感情なのかは、個人差があるだろうね。創作的に表現…創作の定義も人によって違うと思うよ。文芸、学術、美術、音楽…ツイートだったら文芸に類することが多いかな、他のも該当するケースがありそうだけど。

Twitterの商標およびコンテンツの表示ポリシー」によると、Twitterのコンテンツをオフラインで利用する場合のポリシーに「著作者により使用が許可されていることを必要に応じて確認してください」なんて文言があったりして、Twitterが著作権に配慮しているのはわかる。けど…全てのツイートが著作物だとは誰も言っていないよね。

例えば、私のツイートは著作物とは認められない。なぜって、書いてる私がそれを「創作的に表現」していると思ってないから。140文字しかないからさ、キャッチコピーみたいな表現って私は苦手なんだ。だから私にとってのTwitterは、創作の場ではないんだ。

「創作的に表現」の定義は人によって違うだろうから、私が思っている以上に『自分にとってツイートは創作なんだ。文学のようなものだよ。』って思ってる人は多いのかもしれないけど…そうなの? ツイートは著作物って、当たり前のことなの?

もちろん、Twitterを表現の手段として利用するのはアリだと思う。私にはそれができないだけ。でも、私が色々な人の発言を見て感じている範囲で言うと、ツイートが著作物だなんてのは特殊なことのように思える。

ツイートは著作物だという前提を万人に押しつけるのは、話がおかしいんじゃないかな。

作品として発表したわけでもなく、作品のためのプラットフォームを利用したわけでもなく、どこかに明らかな宣言をしたわけでもないのに、『自分の言葉は自分の作品だ、そんなの当たり前だ、認めないヤツは悪だ』なんて言ってるとしたら…

ちなみに「著作」じゃない「人格権」で考えることもできるんだけど、その場合には、インターネット上に公開した時点で細かいコントロールはできないと判断するのが自然なんじゃないかな。人混みを撮影するのに許可がどうとか、普通は言わないよね。

そんなわけで、特別な事情があったのならともかく、ちょっと人目につくところに自分の影が写ったくらいで騒ぐのは、大人げないと思うよ。

ま、騒いでる人にとって大事なのは表現とか創作とか作品ではなく、著作権でも人格権でもなく、ただ「お金」なんじゃないかなーという気もするんだけどね。どうかな。